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筋萎縮性側索硬化症(ALS)について

Update: 15 Dec. '97
神経難病概説の目次へ [▼概要] [▼症状と病態] [▼治療] [▼検査]
[▼予後] [▼問題点] [▼最新の動向]

はじめに・・・
 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は他に類を見ない困難な難病です。しかし、多くの患者・家族・医療者の努力により、この数年で状況は少なからず改善しています。今後も道は必ずや開けていくことでしょう。決してあきらめたり自暴自棄に陥ることなく、多くの仲間と共に、快気する日を目指してぜひ生き抜いて下さい

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概要

. ▼筋萎縮性側索硬化症 Amyotrophic Lateral Sclerosis(ALS)
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症状と病態

 運動するための神経系統(いわゆる運動神経)は、脳(中枢神経)・上位(一次)神経細胞(=ニューロン)=錐体路(すいたいろ)・下位(二次または末梢)ニューロンの三段階の神経細胞でできています。脳からの体を動かすための指令は、この三段階の神経細胞をリレーして筋肉に伝わり、体を動かします

脳(運動中枢)・・・
信号伝達
上位神経細胞
破壊される
・・・
信号伝達
下位神経細胞
破壊される
・・・
信号伝達
筋肉

updown  ALSでは、脳から筋肉へ指令を伝える経路である、錐体路(すいたいろ)=上位運動ニューロン(脊髄前角細胞)および脊髄・脳幹部運動ニューロンの変成(病的な変化)が起こり神経が破壊される結果、運動障害=マヒが起こります

 動けなくはなりますが、精神機能は基本的に変わりません。
また、筋肉が動かなくはなりますが、基本的に他の内臓などに障害は起きないので、「体が動かない」という問題を克服することが重要です。


▼下位ニューロン症状=下位ニューロンが破壊されるために起こる症状

以上のような症状が、始め左右ばらばらに出はじめ、じきに左右対称になります。

といった症状も出ます。さらに筋肉が使われないために、使われなくなった筋肉が痩せ衰えていく「廃用性萎縮」が起こります

updown ▼球麻痺症状(きゅうまひ)=球神経の破壊による症状

などの一連の症状を球麻痺症状と呼びます。
 これらは、球神経と呼ばれる、顔や喉の筋肉を動かすための神経の一群がマヒするために起こります。球麻痺は食事や呼吸に重大な支障を起こし、生命に関わる症状であり、適切な対処が不可欠です。

▼上位ニューロン症状=上位ニューロン破壊により起こる症状

などの症状が出ます。
 下位ニューロンは関節や筋肉などを守るために、刺激に対して脳の指令を待たずに筋肉を動かす「反射」という反応を起こします。有名なものに、座って膝の丸い所(いわゆる膝のお皿)の下をたたくと膝が跳ね上がる、「膝蓋反射」があります。反射は、普段は脳が上位ニューロンを通じて下位ニューロンをコントロールしているので、あまり現われません。
 上位運動ニューロンが破壊されると、下位ニューロンが勝手に働くので、反射が強く現われます

updown ▼陰性四微候

ALSには、上記のような「ある症状が現われない」特徴があります。これらを「陰性四微候」と呼びます。

 これらの症状は、徐々に進行します。ただし進行が長期間停止することもあり、個人差は大きいようです


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治療

 残念ながら、現在は根治療法はありません。現時点では対症療法が主です。しかし治療法研究は活発で、ある程度有効性が確認された新薬も海外では登場しています。

▼薬物療法

updown ▼人工呼吸器/気管切開

▼栄養

updown ▼介護

▼リハビリテーション(機能維持・生活訓練)


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検査

 ALSを確定するための検査は次のものがあります。他の病気を除外して診断していきます。


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予後


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問題点

▼人工呼吸器装着/気管切開と延命治療

▼コミュニケーション障害/社会性・人間関係の喪失

updown ▼介護負担

▼経済的負担


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最新の動向


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執筆とご協力:
五十嵐 直敬/高速推進研究室 保健士/看護士
(前北里大学東病院神経内科病棟勤務/横浜市内の訪問看護ステーション前所長)
三好正堂/浅木病院(福岡県)院長/医師
参考文献:「今日の診療96年度版」医学書院/月刊「神経治療の進歩」医学書院/月刊「神経治療学」神経治療学会誌/「標準看護学講座・社会福祉」金原出版 ほか

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