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遺伝子治療への心構え

Update: 98.4.18

up  遺伝子治療の実用化のためには、何より患者さんご自身とご家族のご協力が必要です。
 まずDNAの上の異常遺伝子の場所を特定する必要があります
 そのためには、遺伝子異常の場所(染色体)を追い詰めるために、ご家族の誰が病気か、という家系の調査が必要です。
 また、遺伝子の異常がどこにあるか調べるためには、患者さんやご家族の細胞が必要です(神経でなくて口の粘膜の細胞など簡単に取れる所で良い=ヘラなどで軽くこすりとるだけ、など)。遺伝子が似ているはずの患者さんと正常なご家族の遺伝子を比べることで、異常な部分が分かるのです。
 さらに、異常な(神経)細胞に異常遺伝子によって実際に何が起こったか調べることが必要です。そのために、ご他界の後、お体を調べさせて頂くことが必要です。
 もちろん、動物実験の次の段階としての、臨床試験の体験者も必要です。


 遺伝子異常は、誰でも数個は持っていると推測されています。 遺伝子異常・遺伝子疾患は特別なものではなく、誰でもなりえるのです。ただ、多数の遺伝子は同じものがペアで存在するので、片方の遺伝子が異常でも、もう片方が働くので問題が起こらない、ということにすぎません。
up  遺伝子は親から自然の摂理に従い受け継ぐもので、 自分で選び取ることはできません。また遺伝子異常は特別なものではなく、進化の過程として起きている遺伝子の自然な組み替えの結果が偶然不都合なものになっただけ、とも言えます。ですから、決して遺伝子治療の対象者・患者・家族を差別しないことが大切です

 (神経難)病は、誰かの力だけで克服できるものではありません。
 病める者、支える者、研究する者が共に少しの勇気を持って、共に「治療研究・克服のために、自分にできる事を自分なりにする」ことが、この理不尽な病に打ち勝つための、最大の武器となるのです。


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文:五十嵐 直敬/高速推進研究室 保健士/看護士
 (前北里大学東病院神経内科病棟勤務/横浜市内の訪問看護ステーション前所長)
参考文献:「医科分子生物学第3版」南江堂/「ハーパー生化学第24版」丸善ほか
     株式会社ディナベック研究所内資料 http://www.dnavec.co.jp/

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