Ars Magica

Notice: This is a webpage for Ars Magica 5th Edition, the Atlas Games RPG.  This page is written in Japanese using SJIS encoding.  This page gives only introductory information, and you need the Ars Magica 5th edition rulebook to play.

目次:


Ars Magicaとは

 Ars Magica の紹介記事については、下記サイトも参 考にして下さい。
 Ars Magica は、Atlas Gamesより出版されているファンタジー TRPGです。Ars Magica には下記のような、独特の 特徴があり他のFRPGと差別化が図られています。

日本におけるArs Magica

 Ars Magica については、かつてHobby Japan社の雑誌「RPGマガジン」の1990年11月号に紹介記事が出て以後は、国内では商業的な扱いは行われず、同人ベースで活動が行われていま す。
 RPGマガ ジンでのリプレイについては、RPGに関する有名な論考サイトの「RPG日本」 で鏡さんが「Ars Magicaリプレイ&紹介記事のレビュー」という論考を述べておられ、それについて私も[ArM] Review of Replay on RPG Magazine というコメントを書いております。
 鏡さんの論考を読んで頂けると、RPGマガジンにおける紹介記事は、ArMを知らない多くの日本の読者にArMを知らしめた功績はあるものの、紹介記事 としてはルールや遊び方に関して間違いが多く、多くの読者に誤った印象を植え付けた、功罪併せ持つ存在である事が判ります。
 Ars Magicaについて過去にRPGマガジンの例の記事しか知らないと言う方は、是非とも鏡さんの記事を読んで頂きたいと思います。



Links


サプリメント Covenants レヴュー

 購入したので、内容の簡単な紹介とコメントなど。(As of 2006/05/07)

I. Introduction

 コブナントをデザインする事はArMを遊ぶ楽しみの一つだ、と述べられています。冒険以外にもSG/PLの想像力を発揮して作品世界を楽しむ事が出来 る、と。
 D&Dとかだと所持金で買うものはPCが持ち運べるものばかりになりがち。対してArMの場合は、非冒険時のLab workに重きが置かれているので、住環境の充実が重要になってくる。そういう意味では、待たれていたサプリメントだといえます。

II. Boons & Hooks

 コブナントに対する virtues & flaws のこと。Boon は有利な点、Hook は不利な点というよりはシナリオフック的要素が強いです(例えば vis 収集の為に常に地中海を移動し続けなくてはならない船上のコブナント、とか)。Story flaw にみられるような「シナリオネタを取ってポイントを稼ごう」的な精神はここでも貫かれています。
 Site(場所), Fortification(建物), Resources(資産), Resident(住人), External relation(外部組織との関係), Surroundings(周辺状況)と大別され、それぞれ  Major/Minor/Free と級別されています。

 「半年以内のプレイに使わないようなHookは認めるな」「遊んでいるうちにBoons&Hooksのバランスはずれていく」「"Castle on the Hill by the Faerie Wood"は止めろ(意外性の無いステロタイプだから)」などなどのSGへの指針も。また、「○○は、Quaesitorは気にするかもしれないが、一応 Codeを破っている訳では無い」などの記述が書いてある事も。遊ぶ上でこの手のPeripheral Codeは重要だからな。

 Fortification の章は、ArM版の Stronghold Builders Guide といった趣。例えば Motte and Bailey とは何か、というのは ArM を遊ぶような人なら良くご存知だとは思うのだが、この手の知識の無い人は読むといいだろう。

 SG向けの記述として、コブナントの状況別にBoons&Hooksが記述されているのが良い。例えば「典型的なSummerのコブナント」 「森の中に作られたSpringのコブナントで、faerie同士の対立に巻き込まれている」「Jerbitonがリーダーで、地域の教会と関係が深く、 近くには悪魔崇拝者の活動跡地がある」という状況で、どんなBoons&Hooksを付ければいいか、など。

 良く出来ていると思う。コブナントデザインを始めるとPLも読む事になります。

III. Governance

 忠誠度のルールとか載ってるが、まぁどうでもいい感じ。

IV. Covenfolk

 コブナント住人のNPCデータ集(魔法の番犬みたいな非人間含む)として大変に便利。
 また、自動調理器のようなあれば便利っぽい魔法のアイテムも幾つか...でもこんなものにリソース注ぎ込まないよなぁ。

V. Wealth & Poverty

 コブナントの収入&支出を扱うルール。典型的なコブナント(magi 6人)だと、銀100ポンドが収入の相場なのだそうだ...6人ってRhine Tribunal本の記述から考えると平均サイズより多いよねぇ。まぁPLが全員magiを作るとすぐにそれぐらいの規模になるような気もするが。

 魔法的に富を作るというのは、どのコブナントも多かれ少なかれ必要に迫られ行っている。例えば農作物を魔法で育てたり、銀を魔法で作り出すなど。但し欠 点があって、
 実はインフレ(別に魔法で富を作らなくても、コブナントが存在するだけで起きる)のルールがすごくおかしい、というか厳しい。毎年の支出の1%が、コブ ナントが地域経済に与えたインフレの影響として翌年の支出に加算される。つまり10年を経たコブナントは、(大体100ポンド前後の支出だから)インフレ 影響分の支出増が+10ポンドとなる。恐ろしいよねぇ。コブナントの経営は、毎年最低1%の成長を遂げねばならないのだ。詳しくはp.67の例を見よ。ダ ンジョンから財宝をどんなに入手してもインフレが起きないD&Dとは大違いですな。
 (あぁ、しかも収入判定ダイスでbotchすると年収は半額になってしまうの だ。高利貸しから金を借りたコブナントが転落の果てに悪魔と契約する羽目になるのが目に浮かぶようだよ。まるでトラベラーみたいだのぅ。)

 
シナリオフックとして、「会計士が長年帳簿を操作して横領していた」「近隣で偽金騒ぎがありコブナントに濡れ衣が」などなど金銭ネタの フックが...なんかいい感じですな。

 収入はなんか抽象的(といいつつ犯罪を含め色々な収入源について書かれてる。コブナントの立地条件に合わせて農園とか鉱山とか色々決めると良い)なんで すが、支出は割と具体的に計算するルールになっている。リソースマネジメントの楽しみをPLに与えるということなのだろうな。
 これらの出費は、然るべき職人(例えば武器防具なら鍛冶屋とか)を雇うと、安くなります。ある程度以上の規模になるとこうした職人をコブナントで雇う様 になるのが、ルールから導かれる訳です。また魔法や魔法のアイテム(勝手に掃除する箒とか)があれば労働力を削減出来ます。
 支出の例がp.67に書かれてます。6 magi + 4 companion + 10 grog に対して、12 servants + 7 teamster が必要になると書かれていたりして、使用人が多いよなぁと改めて思ったり。

 あと、p.71に様々なものの価格表が載っています。基本的に上記の食費やら消耗品などで日々のランニングコストは計算される訳ですが、臨時の出費とか 1ポンド以上の高額出費についてはこの表を参考に。ArMは基本ルールに金銭を扱うルールが無くてちょっと困っていたのですが、これでかなり解決された様 に思う。
 これを見ると、土地の価格は得られる収入の20-50倍程度だとか、数人のmagi + 6 grog で2週間旅をすると1ポンドかかるとか、Redcap 2人が数週間滞在するともてなすのに1ポンドかかるとか、乗用馬は家より高価だとか、色々と興味深いです。

VI. Vis Source

 Tech + Form の15個について、収量が low, middle, high の3つづつ、Vis source のネタが書かれてます。SGがシナリオネタにするかもしれないのであまり読んでないのですが。

VII. Library

 本とかを作る話とか、Summa に関する作成ルールとか。図書館で本を探す呪文(determine the location of the absent volume )なんてのも載っている。

 PLをする側としては、p.89のCasting Tabletのルールが重要。Casting Tabletがあれば呪文を覚えなくても、それを見ながら知らない呪文をかける事が出来る。よほど手に余る呪文でなければFatigueが入るだけ(21 以上失敗するとwarpingが入るが)であり、Spontaneousと違ってCTを半分にする必要が無く、消費型アイテムではないので、かなり便利な アイテムと思われる。なお作成者は該当呪文をmasterしている必要があるが、flawless magicのvirtueを持ってればOKだよな。

 あと、Realia の記述が良い感じだ。要するに mundane なものの標本なんだけど、実物を知らなければかけられない魔法の為に必要なものです。例えばカメレオンを見た事がなければ変身出来ない、ということかと。
 また立派な標本群はtractatusとしても通用するらしいし、In呪文の際のボーナスとして使う話とかも載っている。
 ゲーム的には「抽象的なAnの本」というのの方が使い勝手は良い様にも思うのだが、フレーバーとしては動物の剥製が沢山あるほうが雰囲気があって良い様 に思う。まぁこの辺、「知識を書籍に抽象化出来るのがOrder of Hermesの強み」というのと、博物学的な研究姿勢とは食い違ってしまう様にも思うのだが。

 残念と思う事をあげるとするならば、Summa, Tractatus のサンプルを幾つか(もっともらしげなタイトルとか著者とかいわれとか所有コブナントとか付き)があると良かったような。あるいはサンプルコブナントの蔵 書リスト、とか。

VIII. Sanctum

 割とどうでも良い節なのだが、呪文 ward against the curious scullion (magic resistanceを持たない人間は入れない)などなどはプレイの際に便利そう。

IX. Laboratories

 "V. Wealth & Poverty" で出てきた、Laboratory のポイントの話がここで詳しく説明されます。
 Laboratory 自体に Virtues & Flaws をつけたり、置かれる Outfitting に Virtues & Flaw があったりなどなど、かなりカスタマイズ出来る。Safety が高ければ accident が起きにくいけど、欠点があると warping が起きやすい部屋とかも。廃棄されたコブナントに手を入れて使いやすくしていく、あたりを丁寧に遊ぶ為のルールなのかもしれない。
 また、Laboratory のサンプルが幾つも載ってます。コアルールのDariusの部屋とか、CalebaisのIerimyraの部屋とか。

 SGにとってはそれっぽい雰囲気を出す部屋の描写の参考になるのではないかなぁ。例えば「Labの真ん中に大きな機械仕掛けの天球儀がある」といえば、 何にspacializeした部屋かある程度PLにヒントになるだろうし。